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感染者からの手紙1997年9月に自らの感染を知ったOZAKI友さんからの手紙なかま達へ1997年9月、ぼくは検査に行きHIVの感染を知った。 以前に知り合ってセックスをした子から、本人が感染していると知らされた。つまりぼく自信も感染している可能性があるということを知らされたのだけれども、そのショックは大きかった。 事実に対するショックもさることながら、「何でもっと早く教えてくれなかったんだ」という思いの方が強かった。 検査の結果は案の定「プラス」で、混乱するぼくの脳裏には色々な思いが錯綜した。いったい誰に伝染されたんだろう。ぼくが彼に伝染したんだろうか、彼がぼくに伝染したのだろうか。なんでぼくが! 彼への少なからぬ怒りもあった。なぜなら、彼が自分の感染を知ってからぼくに知らせるまでの間が、有に半年はたっている。感染そのものがどうこうというよりも、その「半年」という空白期がぼくの治療についての遅れという実感の方が強かった。率直な話が、「死」という言葉が自分自身の思いを支配していたと思う。あと、何年生きていられるのだろうか。 今思えば、せっかく彼が勇気を奮ってぼくに語った意味を大事にしたいと思える訳だけれど、その時のぼくは、やはり冷静さを失っていた。彼が知らせてくれたことで、自分は検査を受け、発症以前の早い段階で治療に入れたわけだけれども、もし、彼がぼくに知らせることがなければ、おそらく発症するその時まで気づかないで生活をしていただろうし、恐ろしいことに、ウイルスを持っていることに気づかないで、ハッテン場やスナックで知り合った子とセックスしていただろう。 「ぷれいす東京」の方と知り合い、また、治療にかかる「国際医療センター」の医師と話をすることで、この病気は、薬剤の発達によって慢性疾患と呼べる状態まで治療ができるようになっていることや、「のんびりつきあえば悪さをする病気ではない」こと、等を知ることで、ずいぶん助かった。
自分自身の中にあるこの病気に対する偏見との対決こそが大事だ。 セックスで相手を信頼することと、「この人なら感染していないだろう」と勝手に思いこむことは、似ているようで、全く違う次元だということ。ぼく自身がはまっていた落とし穴でもある。 ぼくは、三人の男の子とつきあっている。三人ともぼくの感染については知らせてある。ぼくも心の整理がいったけれども、自分が実感した「少しでも早く知らせてもらった方が良かった」という実感を大事にした。一人は泣いちゃったが、彼らは皆事態を受け止めてくれ、検査にいってくれている。自分だけの問題ではないし、その子の「命」に関わる問題だからすぐ知らせて正解だった。 ぼくは、幸福者だと思う。決定的な瞬間に決定的な行動を促してくれる仲間が「ぷれいす東京」をはじめいてくれた事実。自分の事実を隠さずに、パートナーに知らせていくことで、信頼を深められたこと。 三人のパートナーとは、今もつきあっているし、セーフセックスは続いている。 また、仕事もきちんと続けている。この病気にかかっていようと、全くのプライバシーの問題だから、職場で同僚などに語る必要は全くない。現場で誰が「自分は肝臓病だ」とか「糖尿病」とか公言するだろうか。言うまでもない話である。
1997. 11. 11.
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